今回は日光市内にある観音寺とその周辺の散策レポートをお送りします。
◾️日光裏路地散策/鉢石山 無量寿院 観音寺
鉢石町にある観音寺は、弘法大師空海によって開山され、その際、空海は手ずから彫った千手観音を祀ったと伝えられています。
開山1200年を超える観音寺は今も菩提寺として檀家の皆さんに大切にされているお寺です。
鉢石山 無量寿院 観音寺
車で行く場合は三ツ山羊羹本舗を鋭角に左折し、100メートル少々で観音寺に到着。駐車場も整備されています。
鉢石山 無量寿院 観音寺
観音寺駐車場から旧日光市庁舎が見えます。
旧市庁の後ろ姿を横目に見ながら「観音寺薬師堂 瑠璃殿」へ向かいます。ゆっくり歩いて7分ほど。
観音寺駐車場から見える旧日光市庁舎
薬師如来がご本尊で、目薬師様と呼ばれているそうです。「瑠璃殿」の名は薬師如来の正式名称が「薬師瑠璃光如来」だからです。
お参りをしてお隣の「閻魔十王道」へ
観音寺薬師堂 瑠璃殿
「観音寺薬師堂 瑠璃殿」や「閻魔十王道」があるエリアは「観音寺 光林坊跡」江戸時代、観音寺の下寺として坊があったそう。
「閻魔十王道」は閻魔様が真ん中に。その左右に十王、右端に地蔵菩薩、左端に奪衣婆が座しています。
閻魔様は冥途での絶対権力者。ちょっと背筋が伸びます。真摯にお参りして次へ向かいます。
閻魔十王道
閻魔十王道の看板
閻魔十王道から50メートルほどの「カトリック日光教会」(閻魔十王道から見えますよ)
仏様の世界からイエスの世界へ…
小さな教会は木々に囲まれて静寂に包まれています。床の木目がとてもキレイです。
マリア像についている説明文が微笑ましいのでぜひ教会内で説明文を読んでみてください。
無料で見学できますよ。
カトリック日光教会
カトリック日光教会からメイン通り/R119へ向かいます。元祖日光湯波 海老屋長造が角にありますよ。
メイン通り/R119までは150メートルくらい。徒歩2〜3分です。
メイン通りは名店や老舗が左右にいっぱい!気になるお店に寄ってお土産を買ったり、ひと息つけるカフェでお茶したり、楽しみ方はいっぱい。
酒饅頭で有名な湯沢屋で、もちろん酒饅頭を買って(美味しいですよね)観音寺へとメイン通りを進みます。
途中、後ろ姿を見ていた「旧日光市庁舎」があります。
旧日光市庁舎
旧市庁舎は当初外国人向けホテルとして建築されました。しかし、ホテルとして稼働した実績はほとんどなく、その後古河電工日光精銅所に売却され工員アパートとして使用されます。
1948年に旧日光市に寄付され旧日光役場本館として、1954年には旧日光市庁舎本館として市民に親しまれ、2018年3月に新庁舎へ機能が移転したことによりその役目を終えました。
大正初期に建てられた木造4階建ての和洋折衷入母屋造りの有形文化財は、進駐軍の社交場として賑わっていた時期もあるそうです。
現在は旧市役所記念公園として整備され、フォトスポットとしてノスタルジックな姿が人気です。
(明治・大正期の建築物が好きな方にはちょっとしたご馳走です)
旧日光市庁舎
観音寺に向かう曲がり角にあるのが「ギャラリー なかむら」
アンティークショップに入るのはちょっと勇気がいるかもですが、とても気さくなオーナーが迎えてくれますよ。
外国人観光客向けに手頃な価格の浮世絵や陶器が並んでいます。
昭和初期のポストカードを記念に購入して、観音寺へ向かいます。
のんびり歩いて40分〜1時間くらいの散策です。
おなかが空いてきたので、ランチに行きましょう!
◾️日光の老舗の味を一度に楽しめる/山内茶寮 大光坊
日光山内、世界遺産「日光の社寺」エリアに今年8月にオープンした「山内茶寮 大光坊」は、輪王寺の自坊をリノベーションした空間で楽しめる湯波と和甘味のお店。
(妙月坊の姉妹店です。)
暖簾をくぐった先には美しい木造平屋建築と整えられた庭が!
店内は美しい欄間や雪見障子を残しリノベーションされています。
庭を眺め、季節を感じながら注文を待つ時間も贅沢。
味わい深い佇まいの庭はお散歩することもできますよ。
美しく生まれ変わった坊
苔いっぱいの庭がキレイ
地元日光の老舗の味を楽しめるメニューを揃えていて、「湯波膳(「海老屋長造」の揚巻湯波)」「生湯波丼(明治元年創業「ふじや」の生湯波)」「湯沢屋」のあんこや「三ツ山羊羹本舗」の水羊羹などを使って作る「山内パフェ」など。
興味を惹かれた「饅頭茶漬け 文人趣味 -森鴎外がこよなく愛した饅頭茶漬け-」
森鴎外はかなりの甘党で知られているし、特に甘いものとごはん(白米)を一緒に食べるのが大好きだったらしい。森茉莉(鴎外の長女)のエッセイ『貧乏サヴァラン』で鴎外が葬式饅頭をお茶漬けにして食べていた話があった。
大光坊の饅頭茶漬けは湯沢屋の酒饅頭を使っている。白いご飯の上に酒饅頭…森鴎外が食べたらなんて言うだろう??
次に行ったときには注文してみよう。
山内茶寮 大光坊
Grill&Steak 妙月坊
-山内茶寮 大光坊で食べられる日光の銘品ちょこっと紹介-
「湯波」
日光の伝統ある名産品「湯波」
日光ゆばは「湯波」京都ゆばは「湯葉」と書きます。
この二つのゆばの違いは製造方法にあります。
豆乳を煮詰めて表面にできる膜を引き上げるときに、京都では膜の端から引き上げるため一枚になり、日光では膜の中心から引き上げるため二枚(二重)になります。
日光湯波は膜の間に豆乳を含んだ二枚仕上げのため、食感や食べ応えが日光湯波の特徴。
たくさんの湯波製造店がありますが「元祖 海老屋長造」と「日光湯波 ふじや」の2店は老舗湯波製造店です。
「羊羹」
湯波と並び有名なのが「羊羹」
庶民の参拝が盛んになった江戸後期には参拝者が3万人に及んだ年もあったとか…
江戸時代から「観光スポット」の日光。当時から羊羹も大人気だったようです。
今と違い、移動に時間のかかった江戸時代。長旅で疲れた体に甘味は本当に美味しかっただろうと想像できます。
羊羹は日持ちするので、お土産としても重宝されたのでしょうね。
現代でも日光の羊羹は人気が高く、羊羹を扱うお店は10店近くあり「羊羹街道」と呼ぶ人もいるようです。
そんな羊羹激戦区の日光で、明治28年創業の三ツ山羊羹本舗は「羊羹一筋」
羊羹はとてもシンプルなスイーツ。原材料は「小豆・寒天・砂糖・水」この4つが基本。
三ツ山の羊羹はこのシンプルな4つの素材にこだわり、先祖代々からの「かまど」で作られます。
※味と品質に対する責任を持つために三ツ山羊羹は当地店舗のみでの製造、販売です。
「饅頭」
酒饅頭で有名な「湯沢屋」
文化元年(1804年)創業。200年以上前からお饅頭を販売しています。
色々なお饅頭がある中、酒饅頭は「日本の饅頭の原点」とも言うべき存在。
糀の発酵力を利用してふっくら柔らかく膨らんだ酒饅頭は噛むと酸味があります。これは酒饅頭の皮が持っている酸味。
糀が発酵するときに有機酸を生成するため酸味が生まれます。この有機酸は腐敗防止や食欲増進の働きがあり、発酵食品である酒饅頭は昔から長寿菓子として珍重されてきたそうです。
また、湯沢屋の酒饅頭は「糀・もち米・小麦・小豆・砂糖」で作られていて、添加物は一切使用していません。
老若男女、安心して食べられる酒饅頭。
この柔らかな酸味と餡の甘みのバランスの良さは絶品です!
何個も食べちゃう美味しさですよ。
山内茶寮 大光坊は日光の老舗の味を一度に楽しめるお店です。
◾️手作りシフォンケーキとスコーン、薔薇/Café Karin/カフェ カリン
日光の観光ストリートの途中にあるcafé karin/カフェ カリンは手作りシフォンケーキとスコーンを楽しめる居心地の良いカフェです。
店内はムーミンがいっぱい!ムーミン好きは小躍りしたくなるかもw
小さなカウンターテラスがあり、お天気の良い日はテラスでのんびりするのもおすすめです。
アットホームな雰囲気で木の温もりと可愛らしいインテリア、店主は笑顔が素敵な方です。
手作りのシフォンケーキとスコーンは香りよく、コーヒーや紅茶とよく合います。
セットメニューは組み合わせが豊富でカスタマーフレンドリーな感じが嬉しい。ドリンクメニューも充実していて選ぶ楽しさも味わえます。
コーヒー豆はチバコーヒー焙煎豆、紅茶はY’s teaの茶葉を使っているそうです。
コーヒーはハンドドリップで、紅茶はポットで提供されます。
栗が入ったシフォンケーキ。ホイップクリームには“ニョロニョロ”が
オーナーはたくさんの薔薇を育てていて、店舗前に丹精込めて育てられた美しい薔薇の鉢が並びます。
薔薇は育てるのが難しい植物ですが、(オーナーさんは“みどりのゆび”を持つ人なんですね)薔薇のシーズンには本当にたくさんの薔薇が咲いていて「バラ園」みたい🌹
ムーミン好きのみならず薔薇好きの方も小躍りしちゃうかも🕺
※みどりのゆび(Green fingers):植物(草木)を育てることがとても上手な人のこと
薔薇が綺麗に咲いています
日光散策の一息タイムにぜひご利用くださいませ。
Café Karin
◾️進化する日光
日本有数のパワースポットとして知られる東照宮を有する日光は、あまりに有名な観光スポットで県民の皆さんは意外と足が遠のきがちかもしれません。(少なくとも私はそうでした)
久しぶりに日光を訪れて、知らない場所や新しいお店などに出会うことができました。
せっかく近くに住んでいるのだからもっと日本有数の観光スポット・日光を楽しまなくちゃなと感じた10月の小さな旅でした。
最後に観音寺から見た日光市街です。