東北道から北関東道に抜けて一時間。鑁阿寺周辺はお散歩にちょうど良いお店が多く、オシャレでレトロな寺町をゆっくり楽しんできました。
【見どころ】足利氏の氏寺 鑁阿寺/国宝の本堂は流石の佇まい
鑁阿寺の正式名称は金剛山仁王院鑁阿寺(こんごうざんにおういんばんなじ)
800年の歴史を誇る足利市を代表するお寺です。
もとは足利氏の館で、春は桜、秋はいちょうが美しい、鎌倉時代の武家屋敷の面影が感じられる佇まい。
金剛山仁王院鑁阿寺(こんごうざんにおういんばんなじ)
『大日(だいにち)さま』と呼ばれ親しまれる本尊大日如来が祀られる鑁阿寺は、今から約800年前、鎌倉時代の1197年に足利義兼(よしかね)により創建された真言宗のお寺です。
義兼は、足利義康の第三子で源頼朝の従弟。奥さまは、北条時政の娘、政子の妹「時子」頼朝とは義兄弟にもなる義兼は、鎌倉幕府の創建にも大いに力を尽くしたと言われています。
『鑁阿』って難しい漢字ですよね。一体どんな意味があるのか調べてみたら…
vana寺または、バンナ寺でこれはサンスクリット語(梵語)
この音に「鑁」や「阿」を当て字して「鑁阿寺」
漢字そのものに意味があるわけではありませんでした。
バンナ寺とは大日如来の寺、大日寺のことを指すそうです。
“そのまんま”ってことでした。
いっぱいあるよ!重要文化財
本堂(国宝)
室町幕府初代将軍足利尊氏(たかうじ)の父・貞氏(さだうじ)が1299年に再建したもの。
当時最新の建築様式であった禅宗様建築をいち早く取り入れたもので、同様の建築は全国的にも類例が少なく、大変貴重な文化財。
2013年、足利市で建造物としては初めての国宝に指定されました。
屋根のひさしの下には見事な装飾が施されています。
ご本尊様は胎蔵内大日如来。申年、未年の守り本尊です。
後方壇に弘法、興教の二大師、開基鑁阿上人(足利義兼)像をはじめ、明治維新まで、堀の外に祀ってあった塔頭十二支院の御本尊を安置しています。
大銀杏(天然記念物)
樹齢約650年、周囲約10m。見頃は11月下旬頃で、圧倒的な量の黄金色の葉が壮麗で見事。見上げていると黄金色の蝶々がたくさん留まっているみたいですよ。
一切経堂(国指定重要文化財)
「一切経堂」は本堂の隣。一切経堂には回転式の収納庫に約2,000巻の経典が保存されていて、この収納庫を一回転させることでお経を10万回読破したのと同じ徳が得られる言われています。(マニ車/摩尼車みたい)
現在の一切経堂は1407年に建てられたもの。国の重要文化財に指定されています。
※マニ車/摩尼車:チベット仏教圏(チベット・モンゴル他)ではマニコロ。
円筒形の側面にはマントラが刻まれ、内部にはロール状の経文、真言や、大型のものでは1帙がそのまま納められています。
右回り(時計回り)に回転させると、回転させた数だけ内蔵された経・真言を唱えるのと同じ功徳があるとされています。
他にも、徳川五代将軍・綱吉の母、桂昌院によって1692年に建てられ県の重要文化財に指定されている多宝塔。
金剛界大日如来と勢至菩薩が祀られている多宝塔は、毎月23日の夕方から夜の間に参拝が可能で、参拝時にいただけるお種銭は「お金に不自由しないお守り」として有名。
足利幕府十三代将軍足利義輝が再建した楼門(山門)。両側の仁王像は桃山時代の作。これも県指定文化財。
「寺」だと思っていたけれど、足利氏の館でもあった鑁阿寺は、城館としての名残りも感じられます。
広さは約4万平方メートル!
周囲は水塀と土塁で囲まれて、四方に門が構えられています。
寺域の広さは当時の足利氏の勢力の大きさを示すものと言えるのかな?
歴史の一時代を彩った一族が確かにここにいたというのはなんとも感慨深い…
樹齢650年の大銀杏は夏は緑々、秋は黄金色。春は桜が美しく、自然を楽しむにも絶好の場所ですね。
日本100名城巡りのスタンプをゲットしたり、御朱印をもらったり、目的を達成しながら巡るのもいいし、目的なしにゆっくりと境内を巡るのもおすすめ。
のんびりグルグルすると、1時間くらい。
時間もちょうどいい感じですよ!
【食べどころ】甘味・珈琲&お食事 あまからや/居心地の良い喫茶店
石畳通りにある洋食と甘味のお店「あまからや」
古民家風の外観でいい感じの看板があります。
お店に入ると、なんだか手作り感満載のレトロな玩具的なものが!
鳥や昆虫にペイントされた「石」がたくさんあるし、六面それぞれ違う絵柄が描かれているサイコロ⁉︎のようなものなど、キッチュな作品が展示されています。
昔、こんな玩具あった気がする
あまからやで何より有名なのは「豆かん」
店主も「日本一!」という豆の量らしい。豆好きなのでワクワクしながら、デザートは豆かんに決定!で、食事はカレーに🍛
ちゃんとスパイス。フワッとたまご。サラダもしっかり。
「豆かん食べ切れるかな…」と思いながらもカレー完食。🍴
さぁ!豆かん!!ワクワクが止まりません。
この「てんこ盛り赤まめ」の下に寒天が隠れています。(相方はクリーム餡蜜を注文)
豆好きに嬉しい豆かん
寒天・あんこ・蜜と豆、ぜ〜んぶ自家製。
甘すぎない蜜と炊き加減がいい塩梅の赤マメ。寒天の食感がちょっと不思議でいい感じ。(私が作る寒天はもっと硬い。あまからやの寒天の硬さ好きだわ〜)
クリーム餡蜜のあんこも旨い。
カレーでお腹いっぱい気味でちょっと心配したけれど、稀有な心配でした。
ペロリと完食。ほうじ茶も香ばしくてお腹も心もほっこり。
【甘味どころ】ベーカリー ふくや/お洒落で優しいパン店
お腹いっぱいなのに、パン屋に行く。
足利におしゃれで美味しいパン屋があることは前から知っていたので、今回必ず行こうと決めていました。(食いしん坊でパンフリーク)
“ぱっ”と見パン屋さんとは気付けないおしゃれな外観。
扉の向こうは楽園でした!!
香ばしい小麦の香りが至福
並ぶパンはどれも綺麗な姿で、スタッフの方はフレンドリー。
おつかいなのかな⁉︎ 近所のお子さんたちもお買い物に来ていました。
お腹いっぱいに関わらずたくさん買ってしまった。
でもね、食べられちゃったんですよねw
小麦の香りがフワンと鼻に抜けるのがなんとも心地よい。ハード系もしっかりくっきりパリッと固め。
どのパンもとても美味しかった☺️
トコトコ散策/相田みつおの生家で営む国産籠バックのお店
目的がある訳でもなく、気の向くまま歩いていたのですが、急に何の脈絡もなく「相田みつを。籠」と思いつきました。
私の記憶が確かであれば書家 相田みつをの生家を再利用して山葡萄やあけびを使った籠バックを販売しているお店があるはず!!
目印は長い暖簾
おぼろ昆布より薄い記憶は頼りにならないので、すぐさま検索です!ありました!
お店の名前は「籠や」
鑁阿寺のお堀に沿って足取り軽く目的の「籠や」へ向かいます。
木造二階建ての日本家屋に長い暖簾。
入り口には「ひっそり商ひ中」の小さな看板。
店内に入ると優しい日差しの中に丁寧に編まれた籠バックや手工芸品。そして小さな仏像が…
山葡萄やあけびで編まれた籠バック
店内
暖かみを感じる陶仏たち
繊細で緻密な小さな仏像は陶仏作家・二見光宇馬(ふたみこうま)さんの作品。
どの仏さまも小さく愛くるしく、柔和なお顔。
そばに居ると気持ちの角が丸くなる感じがします。
こういう言葉にし難い"感覚"って大切にしなくちゃいけないですよね。
足利散策/鑁阿寺周辺
鑁阿寺はもともと足利氏の居城で、「史跡足利氏宅跡」として、国の史跡に指定されいる足利市の観光スポット。 「日本の名城百選」にもなっていて「日本100名城スタンプ」も設置されていますよ。
色々なお店や昭和レトロな建物。よくわからないものw などなど。。。
あっちチョロチョロ、こっちチョコチョコと風の吹くまま、気の向くまま散策するのもおすすめです。
チョロチョロしていて出会った閻魔様
歴史的に重要な建造物やそれに伴う書物や灯篭など多くの「大切な物」がある足利。
新しいお店も続々できて、どんどん面白くなってきてる印象です!
大銀杏はそろそろ色づき始めているかな???
黄金色の姿を見に近々来訪したいですね。
※11月25日現在、鑁阿時の大銀杏が黄金色真っ盛りみたいです!
色々な町が色々な方法で新しい魅力的なイベントを開催しています。
そんな「色々」もこれからたくさん紹介していけるといいなと考えているヒビコレ編集室です。
来月は12月、2023年も終わりますね。さてさて、どこに行こうかな〜〜〜😀